スポーツマンである前に
バンコク日本人学校(以後 日本人学校)でのこと。私(佐藤)は、サッカ
ー部の担当でした。日本人学校5年生とタイのナショナルチーム(以後
タイチーム)5年生が試合を行うことになりました。そのタイチームは、かな
り強いということを聞いていました。しかも、そのタイチームは次の週、ヨー
ロッパ遠征が予定されているそうで、日本人学校の子どもたちにとって
は、相手が強ければ強いほど、サッカーの技術面で勉強になると思って
いました。でも、試合以上に勉強になることがありました。
「サワッディーカップ(こんにちは)」
「サワッディーカップ(こんにちは)」
試合会場に入った瞬間でした。タイチームの子どもたちが次々に大きな
声であいさつをしてきます。このとき、
(今日の相手は本当に強い。)
と肌で感じました。しかも、動きは機敏、集散が速い、まるで、すでに試
合が始まっているかのようでした。
試合結果:0-8
日本人学校の完敗でした。おそらく、試合会場に入った時から勝負は
決まっていたのかもしれません。私は、試合内容よりタイチームから学ん
だことがたくさんありました。相手が『ナショナルチーム』だから、ではありま
せん。やはり、強いチームはサッカーの技術以外にもあいさつ、かけ足で
集合、話を目で聴く、整列の速さなど、ひとつひとつのことがしっかりでき
ているのです。
「サワッディーカップ(さようなら)」
「サワッディーカップ(さようなら)」
帰り際に、タイチーム全員がビシッと整列し、大きな声であいさつしてき
ました。
今、やるべきことをきちんとできるタイチームの子どもたちに「スポーツマ
ンである前に」を教えられた一日でした。
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